「なんだか調子がイマイチ」と感じながらも朝、起きて会社に向かい、仕事が終わればお食事会に習い事・・・そんなアクティブな女性たち。気がつかないうちに、ついつい自分に無理をさせていることも多いのでは?
バリバリ働く、すてきに輝いている、傍から見ると憧れの女性たちも実は抱えている体の不調。「充実した生活」と感じられる日々を過ごすため、あなたの体、点検してみましょ。
情報誌avantiの読者である働く女性たちに、健康のこと、体のことを尋ねてみました。
「肩こり」、「冷え性」で悩む女性は、半数以上!「働く女性は真面目な方も多いので、一生懸命仕事に取り組み、責任も次第に大きくなってストレスの影響を受けやすい環境にいる方も少なくないと思います。不規則な生活や、食事・睡眠の乱れなどで、心身の様々な不調が出てきます」と話す九州大学病院 総合診療科の金本陽子先生。女性外来を担当し、数多くの女性たちの症状に耳を傾けている金本先生に女性たちの三大不調について聞いてみました。
肩こり
3大不調のトップは「肩こり」。長時間のデスクワークなどで体を動かす機会が少なくなると、肩甲骨から首の間の筋肉が緊張して血行が悪くなり、乳酸などの疲労物質が筋肉の中にたまることで痛みが生じます。頭を首だけで支える人間の体の構造上、首と肩にとても負担がかかりやすく、また、ストレスを感じると自律神経が血管を収縮させてしまい、血行が悪くなることも要因の一つです。
冷え性
女性に多いといわれる「冷え性」。「冷えは万病のもと」と言われるように、肩こり、疲れ、便秘、むくみ、頭痛、低血圧、婦人科の症状などを引き起こす、女性の大敵。人間の体温は、36.5〜37.0度くらいが適温で、冷え性の人は1〜1.5度も低く、抵抗力や免疫力の低下も引き起こされます。それ故に体の自然治癒力が落ち、多くの症状や疾患を招くことになってしまいます。
便 秘
たかが「便秘」。されど、侮ってはいけないのがこの「便秘」です。排便の習慣には個人差があるので、2〜3日に1回の排便でも辛くないなら便秘とは言えません。逆に毎日規則的でもスッキリ感がないなら便秘の可能性も。頑固な便秘が続き、さらに腹痛もひどいなら「過敏性腸症候群」の可能性もあります。
九州大学病院 総合診療科 助教医学博士。専門は総合診療内科、感染症、疫学。
2008年4月に女性総合診療外来を新設し、様々な愁訴の女性患者の診療に努めているほか、感染制御部で病院感染対策に従事し、血流感染の患者への抗菌薬の使用方法について主治医に指導をする。医学部の教育も担当。とくに内科領域のプライマリーケアについて学生や研修医に臨床実習をしている。社会貢献活動としては、地域住民の検診に参加したり、市民公開講座にて禁煙活動を行う。
女性に多い“腎盂腎炎(じんうじんえん)”に注意!