健康診断で、「血糖値が高いので注意してください」と診断されました。でも血糖値のこともよく分からず、どう改善すればよいのかと困っています。このままだと糖尿病になってしまうのでしょうか? 改善法についても知りたいです。
「血糖値が高い」とは、その名のとおり、血液の中に過剰な糖がある状態です。血糖値は、空腹時に70~100mg/dLが正常値の範囲内で、健康診断で「注意」とされるのは、110~126mg/dLの境界領域と呼ばれる範囲にある方です。血糖値が126mg/dL以上になると、糖尿病と診断されます。
境界領域の場合、将来的に糖尿病になる可能性も高いといえますので、早い段階での生活習慣の改善が大切です。具体的には、日々の「食事」と「運動」、この2つにつきます。とくに運動は、特別なことではなく週に3回程度、30分~1時間散歩するだけでもよい運動になります。「30分も歩けない」という方には、毎日プラス5分でもよいので、日々歩かれることをおすすめしています。
また、血糖値が126mg/dL以上で「糖尿病」と診断された場合でも、非常に初期の段階であれば、投薬をせずとも日々の食事管理と運動で通常の生活が送れる場合もあります。ただしそのままほうっておくと、動脈硬化などの血管障害や、網膜への影響による失明の危険性、神経障害、また腎臓の働きを弱めるなど、さまざまな症状を引き起こす恐ろしい病気です。血糖値を抑えるため、投薬が欠かせない状態になるのも、心身的にも負担が大きくなります。
ですので、血糖値が高いと診断されたら、軽く考えずに、まずは専門の医師に相談されることをおすすめします。当院では、血糖値を正確に測る方法として「糖付加テスト」を行い、その結果をみて、栄養士による食事指導などを含めた適切な治療を行っていきます。
まずは自分がどのような状態にあるかを知って、日々の生活を見直していきましょう。